元記事 2008/09/24(水) 24:36 作成
そいつは闇のカーブの先に潜んでいた。
蓼科から中央高速道の南諏訪ICへ向かって街灯の無い人家も無い観光道路。時速60〜70km。
そいつは左カーブの先で左路肩から路面へ向かって立っていたと思われる。
ロウビームは右先をメインに照射していた。たぐり寄せられる白いセンターラインが煌煌と光る。左カーブ出口を睨むと鹿の顔だけが視界に入った時は既にその距離5m有ったか...
「ドン!バン!」
恐らく鹿は顔の右面を車の左側Aピラー付け根と、ドアミラーでシコタマ殴られた事に成る。それも構える暇も無くだ....
ご覧の様にベコッと凹んだAピラー付け根。凹んだ部分に長さ2cm程塗装がハゲて地金が見えている。ミラーは可倒式なので無傷の様だ。傷を調べたが体毛なり、血痕は全く見当たらず....
ぶつかる瞬間に見えた奴の鼻っ先の口元からは、滴る水と草がぶら下がっていた。道外れの森の中で草をハミ、反芻しながら道に出て来たんだろう。満腹で気もそぞろだったのか?
ただ一つ腑に落ちないのが、奴は日本鹿では無かった様な気がする。毛は茶色でかなり量感が有ったし、鼻っ先の形状があのムース、ヘラジカに見えた。あんな所に生息しているとは考えられない。何だったんだろう....
車は社用車。あ〜この顛末をいちいち報告書にしなければ成らない。
まあ、人間や物損事故では無いのが救い? いや、気の毒だよな、奴には。きっと顔の骨は折れているか脳シントウおこしているかもしれない。或る意味ひき逃げだよ、これは...スマン...
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